
ほしいもとサツマイモのことで知りたいことがあれば是非ご活用ください。


2014年12月の“お宝ほしいも”

ほしいも作りの原点は、土作りです。
当たり前のことなのですが、ほしいも加工をしているとそれを痛感します。
ほしいも作りは一年間の仕事です。
苗作りが始まるのが3月で、ほしいも加工が終了するのが翌年の2月です。
苗作りから収穫(10月)までが8ヶ月、その後原料芋を保管して12月中旬から2月にかけて蒸かしていきます。
収穫から加工の間は、サツマイモにはとても厳しい寒さが訪れます。
そして時間が経過します。
人の手(現代の技術)でサツマイモが眠っていられる環境を作るのですが、“生もの”には変わりありませんから、それにも限界があります。
最終的にはサツマイモ自身がどれだけ健康で逞しいかが問われます。
人が生きている最中に時々病気に罹ることがあるのと同じで、サツマイモも病気に罹ります。
では病気を引き起こす菌はどこにいるかと言うと畑です。
だから土作りが重要なのです。
有機農業をやっていると農薬は魔法の薬だと思うことがよくあります。
土壌消毒でもそれを感じます。強い消毒をした畑のサツマイモは、保存性がとても高いのです。
畑自体を無菌状態にしてしまいますから、病気になる菌がサツマイモに帯びることがないのです。
有機農業ではそういう訳にはいきません。サツマイモにとって良質な菌も悪質な菌も畑にいるのが自然です。
サツマイモに限らず農産物を生産していると、土壌が偏っていきます。
“連作障害”という言葉を聞いたことがあるでしょうか、農産物を生産したら土壌がどうしても不自然になるから起こる現象です。
それを防ぐのが土壌消毒ですが、有機農業では農薬を使いませんから、土作りで対応することになります。
これがなかなか大変で、時間がかかることです。
そして、常に何をすれば良いかを試行錯誤しています。
連作しないで休耕することを基本として、緑肥作物や麦で輪作したり、自家製たい肥を畑に入れたりと色々と試しています。
今月お届けした干し芋もその試行錯誤の一環で生まれた干し芋です。
“銀河の星”という土壌改良のたい肥を入れた畑で栽培した人参芋の干し芋です。
“銀河の星”は『天然腐植土・貝の化石・珊瑚の粉末』を主原料とした天然の土壌改良剤です。
これを畑に入れると土中の微生物の働きが活発になり、サツマイモが生長しやすい環境になります。
もちろんこれだけを畑に入れれば全て解決するということではありませんが、たい肥を入れて地力を上げるのは、効果があることです。
ただしここが大事なのですが、個々の畑により土作りの方法は異なるということです。
自家製たい肥の方が良い畑もありますし、銀河の星が良い畑もあります。
時間をかけて休耕させて、自然に生える草で地力が上がる場合もあります。
今月のお宝ほしいもは、銀河の星を2年続けて土つくりした畑の人参芋ほしいもです。
人参芋ですから大きく育つことはありませんでしたが、形が良い人参芋が収穫できました。
土自体はバランスがとれた畑だったと感じました。
人参芋らしい味わいがあります。お楽しみください。
2014年12月5日 株式会社タツマ 福井保久

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